
ユニバーサルファッションとは
ユニバーサルデザインという言葉は一度でも聞いたことあるのではないでしょうか?
ユニバーサルデザインとは、障がいの有無だけでなく、言語や国籍、年齢や性別にかかわらずすべての人が使いやすいように考慮されたデザインのことです。例えば自動ドアや多機能トイレなど生活の至る所にユニバーサルデザインが使われています。
では、ユニバーサルファッションとは、年齢、体型、身体の不自由さに関わらず、誰もが着やすく、そして何といってもオシャレであり、ファッションを楽しめるように通常の衣服に着やすさを配慮した形で作製された衣服のことです。
ユニバーサルデザインを取り入れたお洋服でファッションを楽しむ
現在、衣服の着脱で不自由さを感じておられる方がおられます。しかし、他人事ではなく誰もが歳を重ねますし、病気や事故で障がいを負うかもしれません。
衣服をまとうことに不自由さを感じた時、ファッションを楽しむことができるのでしょうか?
そこで、ユニバーサルデザインを取り入れてファッションを楽しむ方法を紹介していきます。
身体が不自由になった時の衣服のお悩みは人それぞれ
衣服ににユニバーサルデザインを備えている既製服や市販品はあります。しかし介護用のイメージが強いとオシャレではありません。誰しも加齢とともに体型の変化や身体の不自由は多かれ少なかれあります。例えば、
肩や腕が上がらない、上がりにくいので袖が通しにくい。
腕が上がりにくい。
指がこわばり、小さなものがつまみにくい。
衿元や手足が寒い。
傷口や手術後を見せたくない。
全く自分で着脱できない。
などなど、身体の状態やお悩みは人それぞれです。右ばかりでも左ばかりでもありません。
そんな身体が不自由になり衣服をまとうこと不自由さを感じても、ファッションを楽しむことをあきらめてほしくありません。
ユニバーサルファッションの具体的な工夫
さて、それでは具体的にユニバーサルデザインを取り入れた例を紹介していきます。
お悩み①背中が曲がってきました。
加齢に伴い背中が曲がり前かがみの体型になる場合が多い。
そのため、例えば上着を着用した場合、前丈が下がり後丈が跳ね上がります。
解決例①【前丈カット、後丈を長くする】リメイクをします。
お悩み②腰が曲がってきました。
加齢に伴い腰が曲っているかたも前かがみの体型になる場合が多い。
そのため、特にズボンを着用した場合、後ろから腰が出てしまいます。
解決例②【後ろの股上たけを長くする】リメイクをします。
お悩み③片手が不自由です。
病気等により片手が不自由でボタンを留めたり、衣服の着脱が難しいで場合があります。
解決例③【マジックテープを付ける】リメイクをします。
指先が不自由な方のリメイク
ボタンをマジックテープに付け替える。
ボタンをファスナーに替える。
ファスナーの持ち手に大きなつまみを付ける。
肩や腕が上がりにくい方のリメイク
脇下にファスナーを付ける。
かぶりの服を前開きにする。
脇の下にマチを付ける。
片手が不自由な方のリメイク
ボタンをマジックテープに付け替える。
ボタンをファスナーに替える。
ファスナーの持ち手に大きなつまみを付ける。
上着やパンツにファスナーを付ける。
傷跡や手術後、浮腫を見せたくない方のリメイク
首にある場合、スタンド衿にする。
腕にある場合、袖を長くする。
袖口を広くする。
モードアオキ服飾研究所では「仕立て直す」のメニューで詳しくご紹介しております。あなたの個性はそのままで、ずっとお気に入りのままの衣服にお仕立て直します。
介護用の衣服のイメージを変えたい!
もし、大切な方やご自身が明日、介護を必要された身体となった時、現在の選択肢の少なさに絶望するかもしれません。介護用のイメージが強く、男性はチェック柄の水色、女性は小花柄のピンクが殆どです。
実際、父が脳梗塞を患い寝たきりの時は、チェック柄の水色でした。
私自身も病気や怪我をするかもしれませんし、老いていきます。そしていずれ介護を必要とします。
そんな時も大好きなファッションを楽しみたいしあきらめたくないです。
何よりファッションには心を明るくすると信じています。
そんな想いで一着一着丁寧に仕立てています。